2018年度、企業業績や株価はどこに向かうか(会社四季報オンライン)

主要企業の3月期決算も終わり、2018年度の業績見通しも出揃った。景気や企業業績を回復させ、株価を押し上げてきた金融緩和が縮小に向かう中で、今年度の先行きをどう見るか。野村證券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストに聞いた。

 ――3月期決算が出揃った17年度の日本企業の業績をどう分析しましたか。

 日本の上場企業の17年度の経常増益率は17.5%(金融除く主要企業、5月22日までの集計分)で、18年2月時点での18.7%という予想から1.2ポイント下振れた。一方で17年度の売上高に関して言えば、17年度は2月時点での予想と着地とでほぼ変わっていない。

 17年度の売上予想が2月時点から変わらなかったのに、なぜ利益は落ち込んだのかというと、円高進行で営業外に為替評価損が出たこともあると思うが、業績の良いうちに意図的に前倒しでコストを計上した動きもあったのではないかという印象だ。

 そのような踏み込みができたのは、単純なコストカットでない、本当の意味でのリストラ(事業再編)を行ってそれぞれの強みを活かす経営ができていることで、日本企業全体に自信のようなものが広がってきているからだろう。

■ 日本企業の生産性は向上している

 ――では18年度の業績予想については? 

 当社の18年度の予想では経常増益率は9.0%の予想(5月22日時点)で、伸び率は2月時点から下振れしてない。円高進行について17年度は1~3月だけの影響だったのが、18年度は通年で1ドル=106円の前提で置いていて、1年間フルに影響を受けても利益成長率は下振れしていない形だ。

 一方、経常利益の「額」としては、2月時点の44.9兆円から44.4兆円へと約5000億円の下方修正となっている。為替の前提を111円から106円に変更したことで9000億円ちょっとのマイナス影響があるはずだが、実際には約5000億円のマイナス。差し引き約4000億円の上振れ分は、世界景気の堅調さと、企業の生産性が向上していることとで押し上げられている。

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